「マグダ・ゲッペルス」 澁澤龍彦

著者がなぜ《マグダ・ゲッペルス》を 『世界悪女物語』に収録したのか、 イマイチ判然としません。「あとがき」 にもある通り、著者が考える「悪女」 の定義に外れる女性も紹介されて いるわけですが、しかしなぜ? 旦那のゲッペルスに惹かれたのかも しれません。あるいは、写真に見られ ように、抜群の容姿に魅せられたの かもしれま…
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「フロリダ・ハリー・ホップマン・テニス・キャンプ」 村上龍

村上龍というと、足で稼いだ情報 (例えばスポーツについて)を過剰 なまでに小説に盛り込む、という イメージがあります。 『ニューヨーク・シティ・マラソン』に もその傾向が見られますが、短編 集のせいか、うんちく臭さはほどよ く削ぎ落されているようです。 「わたし」が知り合った無名のテニス 選手の言葉は、果たして情報なの…
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「オリムピア」 小林秀雄

このエッセイは、レニ・リーフェンシュタール によるベルリンオリンピックの記録映画、 『民族の祭典』・『美の祭典』を観賞した 感想をもとに書かれている。 小林秀雄のように砲丸投げを語れるスポー ツライターがいるだろうか。 比喩によってスポーツを語ることが著者の 本意ではもちろんない。スポーツを比喩に して思想を語ることが、…
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「世慣れた男」 ヘミングウェイ/高見浩訳

壮絶なケンカで両目をうしなった 男が、酒場にあるスロットマシー ンに“喰いついて”、しぶとく生き てゆくという話です。 ケンカのシーンは陰惨そのもの です。かみついたり、目玉をえぐ りだしたり・・・。アメリカ映画によ く見られる、拳だけのクリーンな ファイトとは無縁です。“バーリ・ トゥード”ですらありません。 これ…
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「ロング・ディスタンス・デディケーション その1」 雨野里香

本のタイトルは『ロング・ディスタンス・デディケーション』 です。異色のエッセイ集といってよいでしょう。 AFNがFENだった頃、「アメリカントップ40」という人気番 組がありました。著者の雨野里香は、その番組を録音し たテープを100本ほど持っていて、今でもよく聴いている そうです。 録音されているのはすべて80年代に放送さ…
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「わたし自身について」 W・アーウ゛ィング/吉田甲子太郎

鶏の唐揚げというのは意外に難し いものですね。チキンかつのほう がむしろ易しいと思います。特に フライパンに少量の油を引いて、 揚げ焼きにする場合はなおさら です。 今回は親子丼用の鶏肉でチャレ ンジしてみました。 写真ではわかりにくいですが、完 全に失敗しました。完敗ということ です。鶏はなかなか手ごわい相手 で…
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「杯」 森鷗外

温泉宿から滝へと向かう道の途中 で泉が湧き出ている。 そこへ七人の娘たちがやってくる。 娘たちはそれぞれ大きな銀の杯を 手にしている。銀杯には『自然』と いう文字が《妙な字体で》書かれて いる。娘たちは銀の杯で泉の水を かわるがわる飲む。 そこへ八人目の娘がやってくる。 彼女は七人の娘よりも背が高く、 年の頃も十四五…
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「人間と動物の類似について」 ラ・ロシュフコー/二宮フサ訳

人間はなぜ動物に惹かれるのか? ひとつには動物が人間に似ている からである。 ふたつには動物が人間に似ていな いからである。 失礼しました。 本作は「ラ・ロシュフコー箴言集」に 収録されている、「考察」のなかの 一節です。 表題のとおりなのですが、類似点 といってもネガティブな面にスポット を当てています。 …
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「ガラスの学士」 セルバンテス/牛島信明

セルバンテスといえば『ドン・キホーテ』 ですね。臨終の場面は忘れられません。 正気に返ったドン・キホーテが、夢中に なって騎士道物語を読みふけったことや、 それに影響されて、自分を騎士だと思い こみ、諸国を遍歴したことなどを恥じるの です。すると、学士のサンソン・カラスコ がこう言うのです、 《さあ、お願いですから、そん…
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「TVピープル」 村上春樹

一読して二読してわからないことがいくつも あります。いつものことですが。例えば、太 字で描かれた擬音。無意味のメタファーな んでしょうか。あと、帰宅した妻がテレビに ついて言及しないのはいいとして、なぜ彼 女にとって《大事な情報》の詰まっている雑 誌が所定の位置にないことにたいして、一 言の文句もいわないのか。 とにかく…
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「カフェ・ド・カフカ 66」 リシャール・ラランド/山の上カナ

リシャール。マルゴ―。 マ「ねえ、今日の警句は?」 リ「《野良猫と目が合ったら、先に 目をそらしてはいけない》」 マ「ちょっといいかしら」 リ「なんだよ?」 マ「その言葉にどんな真理が含ま れているというの」 リ「実際に試してみればわかる。 野良猫に実際に会えばね」 マ「このあたりに野良猫なんてい ないじゃない」 …
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「足摺岬」 田宮虎彦

作品そのものについては、語ること はとくにありません。 ありていに言えば、つまらなかった。 こころに引っかかるものがなにもな かった、というところです。 興味を惹かれたのは、この本がい まはなき旺文社文庫であるという 点です。 文庫のなかには、巻末に刊行の 言葉を寄せている出版社がありま す。 例えば岩波文庫― …
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「橋」 カフカ/池内紀 訳

寒さで目が覚める。 とりあえずコーヒーを一杯。 目覚めに寝覚めの悪いカフカを。 「橋」といえばカフカでしょう。 「川」といえばブルース・スプリングスティーン でしょう。 薄氷そろりそろりとあばら骨
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「午睡のテニスコート」 津崎耕作

ご存じかもしれませんが、テニスでは 奇数ゲームの後チェンジコートがあり ます。その際、選手はベンチに座って 九十秒間休めます。2000年までは 第1ゲームの後も休めましたが、現在 は許されません。もっとも、ベンチに座 ることが許されないだけで、みんな結構 水を飲んだり、タオルを使ったりしてます よね。 五島は十三年間勤…
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「浦島さん」 太宰治

ご存じ「お伽草紙」のなかの一編 です。 前口上がいいですね。長男の道 楽は上品で、次男、三男の道楽 は放蕩に帰すなどということが、 おそらくは自虐をこめて語られて います。浦島太郎は長男だそう です。 恩返しをする亀がまたいいので す。まあよく喋ります。それがま た妙に的を得ているので、うれし くなるじゃありません…
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「工場としての結婚式場  松戸・玉姫殿」村上春樹・安西水丸

『日出る国の工場』のなかの一編です。 村上春樹と安西水丸のふたりが、様々 な工場を訪問しレポートするのですが、 なぜ結婚式場が「工場」なのか、という 疑問には本文に説明があります。面倒 なので引用しませんが、とにかく村上氏 によれば、結婚式場は《工場以外の何 ものでもないのだ》そうです。 興味深いのは別のことです。本編は…
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「カフェ・ド・カフカ 44」 リシャール・ラランド/山の上カナ訳

オープンカフェ。白いテーブルクロス。 リシャール。マルゴ―。 白ワインを飲みながら、ノートを広げ なにやら書きつけるリシャール。 コーヒーを飲むマルゴ―。 灰皿には吸殻が三本。 マ「ねえ、さっきからなにを書いてる わけ?えらい気になるんだけど」 リ「警句」 マ「ケイク?」 リ「アフォリズムだよ」 マ「ああ、警句ね」…
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