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「マグダ・ゲッペルス」 澁澤龍彦
著者がなぜ《マグダ・ゲッペルス》を 『世界悪女物語』に収録したのか、 イマイチ判然としません。「あとがき」 にもある通り、著者が考える「悪女」 の定義に外れる女性も紹介されて いるわけですが、しかしなぜ? 旦那のゲッペルスに惹かれたのかも しれません。あるいは、写真に見られ ように、抜群の容姿に魅せられたの かもしれません。はたまた、彼女が ゲッペルスの悪魔性に惹かれたと 推測し、そこに興味を覚えたのか? いずれにしろ、最後に息をつけると 思ったら、ナチスの宣伝省大臣の... ...続きを見る

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2010/11/17 21:24
「フロリダ・ハリー・ホップマン・テニス・キャンプ」 村上龍
村上龍というと、足で稼いだ情報 (例えばスポーツについて)を過剰 なまでに小説に盛り込む、という イメージがあります。 『ニューヨーク・シティ・マラソン』に もその傾向が見られますが、短編 集のせいか、うんちく臭さはほどよ く削ぎ落されているようです。 「わたし」が知り合った無名のテニス 選手の言葉は、果たして情報なのか (誰かの語った言葉)、それとも作者 の創造なのか。もし創造だとしたら、 かなりのつわものだと思います。な にしろ二十四歳のときの作品ですか らね。 ... ...続きを見る

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2010/11/16 22:13
「オリムピア」 小林秀雄
このエッセイは、レニ・リーフェンシュタール によるベルリンオリンピックの記録映画、 『民族の祭典』・『美の祭典』を観賞した 感想をもとに書かれている。 小林秀雄のように砲丸投げを語れるスポー ツライターがいるだろうか。 比喩によってスポーツを語ることが著者の 本意ではもちろんない。スポーツを比喩に して思想を語ることが、小林秀雄の真意で ある。 そんなスポーツライティングがあってもいい のではないか。 著者が看破したスポーツの定義はいたって シンプルだ。 《ある秩序の... ...続きを見る

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2010/11/15 19:48
「世慣れた男」 ヘミングウェイ/高見浩訳
「世慣れた男」 ヘミングウェイ/高見浩訳 壮絶なケンカで両目をうしなった 男が、酒場にあるスロットマシー ンに“喰いついて”、しぶとく生き てゆくという話です。 ケンカのシーンは陰惨そのもの です。かみついたり、目玉をえぐ りだしたり・・・。アメリカ映画によ く見られる、拳だけのクリーンな ファイトとは無縁です。“バーリ・ トゥード”ですらありません。 これはスペイン内戦に参加した ことによって作者が得た認識な のです。暴力の本質を比喩で描 いたんですね。 それと、ブラッキーとウィリー・ソー ヤの二人がケン... ...続きを見る

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2010/11/14 10:45
「ロング・ディスタンス・デディケーション その1」 雨野里香
本のタイトルは『ロング・ディスタンス・デディケーション』 です。異色のエッセイ集といってよいでしょう。 AFNがFENだった頃、「アメリカントップ40」という人気番 組がありました。著者の雨野里香は、その番組を録音し たテープを100本ほど持っていて、今でもよく聴いている そうです。 録音されているのはすべて80年代に放送されたもので、 様々な年の様々な週がアトランダムにストックされている そうです。 100本といっても、あの番組は40位から1位の曲までを ほぼフルコーラスで... ...続きを見る

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2010/11/13 16:10
「わたし自身について」 W・アーウ゛ィング/吉田甲子太郎
「わたし自身について」 W・アーウ゛ィング/吉田甲子太郎 鶏の唐揚げというのは意外に難し いものですね。チキンかつのほう がむしろ易しいと思います。特に フライパンに少量の油を引いて、 揚げ焼きにする場合はなおさら です。 今回は親子丼用の鶏肉でチャレ ンジしてみました。 写真ではわかりにくいですが、完 全に失敗しました。完敗ということ です。鶏はなかなか手ごわい相手 ですね。 牛や豚も好敵手です。羊と馬は食 べません。 魚は雲の上です。 ...続きを見る

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2010/11/12 10:34
「杯」 森鷗外
温泉宿から滝へと向かう道の途中 で泉が湧き出ている。 そこへ七人の娘たちがやってくる。 娘たちはそれぞれ大きな銀の杯を 手にしている。銀杯には『自然』と いう文字が《妙な字体で》書かれて いる。娘たちは銀の杯で泉の水を かわるがわる飲む。 そこへ八人目の娘がやってくる。 彼女は七人の娘よりも背が高く、 年の頃も十四五で、他の娘たちよ りも二つ三つ上である。 また、黄金色の髪と琥珀色の顔と 青い目を持っている。どうやらハー フのようである。 第八の娘は自分の杯を取りだ... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2010/11/11 12:04
「人間と動物の類似について」 ラ・ロシュフコー/二宮フサ訳
人間はなぜ動物に惹かれるのか? ひとつには動物が人間に似ている からである。 ふたつには動物が人間に似ていな いからである。 失礼しました。 ...続きを見る

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2010/11/10 10:11
「ガラスの学士」 セルバンテス/牛島信明
「ガラスの学士」 セルバンテス/牛島信明 セルバンテスといえば『ドン・キホーテ』 ですね。臨終の場面は忘れられません。 正気に返ったドン・キホーテが、夢中に なって騎士道物語を読みふけったことや、 それに影響されて、自分を騎士だと思い こみ、諸国を遍歴したことなどを恥じるの です。すると、学士のサンソン・カラスコ がこう言うのです、 《さあ、お願いですから、そんなつまらな いことを言うのはやめにして、本来のあな たに戻ってくださいよ。》(牛島信明訳) これはみなの、読者の気持ちを代弁して います。狂気が正気に勝っ... ...続きを見る

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2010/11/09 11:20
「TVピープル」 村上春樹
一読して二読してわからないことがいくつも あります。いつものことですが。例えば、太 字で描かれた擬音。無意味のメタファーな んでしょうか。あと、帰宅した妻がテレビに ついて言及しないのはいいとして、なぜ彼 女にとって《大事な情報》の詰まっている雑 誌が所定の位置にないことにたいして、一 言の文句もいわないのか。 とにかく、わかるところから切り開いていくし かありません。 ...続きを見る

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2010/11/08 09:59
「カフェ・ド・カフカ 66」 リシャール・ラランド/山の上カナ
「カフェ・ド・カフカ 66」 リシャール・ラランド/山の上カナ リシャール。マルゴ―。 マ「ねえ、今日の警句は?」 リ「《野良猫と目が合ったら、先に 目をそらしてはいけない》」 マ「ちょっといいかしら」 リ「なんだよ?」 マ「その言葉にどんな真理が含ま れているというの」 リ「実際に試してみればわかる。 野良猫に実際に会えばね」 マ「このあたりに野良猫なんてい ないじゃない」 リ「ギリシャに行くといい」 マ「ねえ、そんなことより、ゆで卵 でも食べない?」 リ「ハムエッグなら食べてもいい。 両面焼きのね」 マ「ハムエッグで両面... ...続きを見る

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2010/11/07 09:30
「足摺岬」 田宮虎彦
作品そのものについては、語ること はとくにありません。 ありていに言えば、つまらなかった。 こころに引っかかるものがなにもな かった、というところです。 興味を惹かれたのは、この本がい まはなき旺文社文庫であるという 点です。 文庫のなかには、巻末に刊行の 言葉を寄せている出版社がありま す。 例えば岩波文庫― 《真理は万人によって求められる ことを自ら欲し、・・・》 例えば講談社文庫― 《二十一世紀の到来を目睫に望 みながら、・・・》 例えば角川文庫― 《第... ...続きを見る

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2010/11/06 10:31
「橋」 カフカ/池内紀 訳
寒さで目が覚める。 とりあえずコーヒーを一杯。 ...続きを見る

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2010/11/05 07:04
「目と口」 イソップ/中務哲郎訳
「目と口」 イソップ/中務哲郎訳 《アスパラカレー》です。 ...続きを見る

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2010/11/04 14:29
「ラディゲの死」 三島由紀夫
「ラディゲの死」 三島由紀夫 金閣寺 (新潮文庫)新潮社三島 由紀夫ユーザレビュー:Amazonアソシエイト by ...続きを見る

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2010/11/03 10:39
「春子」 三島由紀夫
「春子」 三島由紀夫 《つみれの味噌汁》です。 大根は欲しかったです。 ...続きを見る

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2010/11/02 09:34
「午睡のテニスコート」 津崎耕作
ご存じかもしれませんが、テニスでは 奇数ゲームの後チェンジコートがあり ます。その際、選手はベンチに座って 九十秒間休めます。2000年までは 第1ゲームの後も休めましたが、現在 は許されません。もっとも、ベンチに座 ることが許されないだけで、みんな結構 水を飲んだり、タオルを使ったりしてます よね。 五島は十三年間勤めたスポーツ新聞社 を辞め、フリーランスになりました。彼が 書こうと思っているのは、やはりスポーツ のことです。新聞社にいたころは主に野 球の担当でした。... ...続きを見る

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2010/11/01 19:57
「浦島さん」 太宰治
ご存じ「お伽草紙」のなかの一編 です。 前口上がいいですね。長男の道 楽は上品で、次男、三男の道楽 は放蕩に帰すなどということが、 おそらくは自虐をこめて語られて います。浦島太郎は長男だそう です。 恩返しをする亀がまたいいので す。まあよく喋ります。それがま た妙に的を得ているので、うれし くなるじゃありませんか。 ひとつ気に入らない点があるとす れば、やはり結論の部分です。著 者は、玉手箱の貝殻を開けて三百 歳のじいさんになってしまった浦島 さんを不幸ではな... ...続きを見る

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2010/10/31 13:36
「工場としての結婚式場  松戸・玉姫殿」村上春樹・安西水丸
『日出る国の工場』のなかの一編です。 村上春樹と安西水丸のふたりが、様々 な工場を訪問しレポートするのですが、 なぜ結婚式場が「工場」なのか、という 疑問には本文に説明があります。面倒 なので引用しませんが、とにかく村上氏 によれば、結婚式場は《工場以外の何 ものでもないのだ》そうです。 興味深いのは別のことです。本編は他 の工場レポートに比べて明らかに異色 です。まずかなり長い前置きの後、モデ ルケースとして架空の新郎新婦を設定 し、会話文を通して、式の費用について ... ...続きを見る

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2010/10/30 19:59
「カフェ・ド・カフカ 44」 リシャール・ラランド/山の上カナ訳
「カフェ・ド・カフカ 44」 リシャール・ラランド/山の上カナ訳 オープンカフェ。白いテーブルクロス。 リシャール。マルゴ―。 白ワインを飲みながら、ノートを広げ なにやら書きつけるリシャール。 コーヒーを飲むマルゴ―。 灰皿には吸殻が三本。 マ「ねえ、さっきからなにを書いてる わけ?えらい気になるんだけど」 リ「警句」 マ「ケイク?」 リ「アフォリズムだよ」 マ「ああ、警句ね」 リ「二十代のころは映画の脚本とか 小説を書いた。三十代は詩だ。四十 代にして辿り着いたのが警句さ。ケ・ イ・ク」 マルゴ―「段々短くなるわけね」 リ... ...続きを見る

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2010/10/28 19:01

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